キャリアコラム

〜教育の社会連携おどろきの予算〜

先日、TERAKOYA Programで訪問した北関東にある某市
教育委員会さんとお話しして分かったキャリア教育の実態についてです。

市の人口は8万人、小学生の総数は14校で4229人
中学生の総数は2247人、産業基盤もある行政です。

会話のトピックは、昨今TERAKOYA Programでも注力する
デジタルシティズンシップ教育とキャリア教育について。
行政としてキャリア教育に確保している予算についてなどをお伺いしました。

市で割り振られている驚きのキャリア教育予算

小中学校合わせて約6500人の生徒児童に対して、
なんとキャリア教育に割り振っている予算は市全体で年間300,000円
それが実際どれくらいの生徒に届けられる金額かというと、
元スポーツ選手が、ボールの投げ方や走り方、頑張ることの重要性を教える出前授業を
「一年に一度市内1校のみ」しかもその1校の全クラスには難しく
3クラスにしか届けられない金額とのことでした。

建物は立派でも中はガラガラの箱物公共事業に年間数千億円が使われるのに、
将来を担う小中学生への投資は微々たるもの
日本の教育に対する行政の実態を突きつけられた気がしました。

予算よりも深刻な現場の人手不足

そして個人的に、キャリア教育に割り振られている予算額以上に気になったのは、
「学校の現場は人手不足、カリキュラム過多で、
 教育委員会主導で新しいことを導入されることを学校現場が嫌がる」
という点でした。

この教育委員会さんと同様の声は、他の行政、教育委員会
そして学校現場からもこれまで聞いてきました。

一方で教育現場の先生方からは、
自分たちには教員のキャリアしかないから、世の中には多様な仕事があり
 日々新しい仕事や働き方が生まれていて、教員の自分たちだけで伝えるのでは不十分
という声が多数あがっています。

ヒト、モノ、お金が圧倒的に不足する教育現場で
なかなか埋まらない学校と行政、学校と社会の距離
この課題がもたらす影響は、子どもたちにとってはもちろんですが
成長した子どもたちが支える未来の社会全体にも大きく影響を及ぼしていくのではないでしょうか。

この課題は教育現場だけではなく、社会全体で真剣に向き合うべき
早急に取り組むべき大きな課題という思いを強くした行政への訪問でした。

TOP